皮膚科の先生から学ぶ、思いを汲み取る力
こんにちは。テクニカルライター&WEBライターの滝田千寿美です。
私はもともと皮膚が弱いタイプで、幼い頃から頻繁に皮膚科のお世話になっていました。
実家暮らしだった頃に通っていた皮膚科の先生は、
確か、40代くらいの男性の先生。
看護婦さんが事前に私にヒアリングしていた情報を確認していたのか、
いつも診察室に入るやいなや、
ちずみちゃ〜ん、大丈夫、きれいになるよぉ〜〜〜
と、声をかけてくださっていました。
若かりし頃は、失礼にも
「この先生、圧倒される、、、」と感じていたのですが、
今思えば、先生のこの対応は正しかったと思うのです。
患者と医者が顔を合わせるとき、
両者の関係は、「問題を抱える者」と「問題を解決する者」になります。
「問題を抱える者(=患者)」は、自分の体に起きている変化を不安に思い、
状況を改善させたいと思っています。
それに対して「問題を解決する者(=医者)」は、
この患者が抱えている「問題」とは、いったいどのような事態なのか、
自分の知識と経験に照らし合わせて理解しようとするでしょう。
そのとき、その患者が抱えている「問題」の程度が低ければ、
「大丈夫、それくらい、たいしたことないよ」と、
ついつい口にしてしまいがちだと思うのです。
患者の立場としては、
いよいよ我慢ができなくなって病院まで足を運んだのですから、
それを「それくらい、たいしたことない」と言われてしまうと
自分の深刻さを理解してもらえていないような、
不安な気持ちになります。
私は今でもよく、あぁ、もう薬だけ受け取って早く帰ろう・・・という気持ちになります・・・
・・・と同時に、
問題を抱える者の気持ちを汲み取り、
何を求めているか理解し、
まず不安を取り除く
というこの一連の対応は、どのような仕事であっても
常に必要とされる姿勢なのではないか、などとも思います。
互いの知識の程度が違うと、
どうしても自分の尺度で意見してしまいがち。
そこを、
- 目の前にいる方は、何を求めているのか?
- どのような言葉で接すれば、納得してもらえるのか?
- 伝える手段は、何が最適か?
など、状況に応じた対応ができるかどうか。
私を診てくださっていた皮膚科の先生は、
そうした対応が身に染み付いていた方だったのではないかと、
いま改めて思い返します。
「大丈夫、きれいになるよ!」と、
真っ先にこちらの不安を取り除くような言葉をかけてくださっていたことに、
いまさらながら有難い気持ちがわいてくるのでした。
先生、ありがとう!